2026年2月9日、ミラノ・コルティナ五輪のフィギュア団体戦が行われました。 日本は序盤から僅差の戦いが続き、手に汗握る展開に多くの視聴者が釘付けになったはずです。
銀メダルが確定した瞬間、涙を流す選手たちの姿に胸を打たれ、テレビの前で思わず涙した人も多いでしょう。
しかし、多くの視聴者が首をかしげたのが、男子フリーでの「佐藤駿はなぜ勝てなかったのか?」という結果でした。
佐藤駿はノーミスの演技を見せた一方で、細かなミスはあったものの、構成全体の得点効率でイリア・マリニンが上回りました。
「なぜ?」「どうして勝てなかったの?」という声が多く上がったこの疑問を、団体戦の内容と採点の仕組みから分析していきます。
ミラノ五輪フィギュア団体戦で何が起きたのか
日本チームは序盤から高いパフォーマンスを発揮
団体戦初日から日本チームがどれだけ勢いに乗っていたかを、日ごとの結果で見てみましょう。
主要選手が次々と高得点を叩き出し、自己ベストや今季世界最高が続出するという、まさに完璧なスタートでした。
日本代表の結果まとめ(2月6日~2月8日)
2月6日(初日)
| 種目 | 選手名 | 得点 | 順位 | ポイント | メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| アイスダンス(RD) | 吉田唄菜/森田真沙也 | 68.84 | 8位 | 3pt | 安定した滑り |
| ペア(SP) | 三浦璃来/木原龍一(りくりゅう) | 82.84(自己ベスト・世界歴代3位) | 1位 | 10pt | 圧巻の演技でトップ発進 |
| 女子シングル(SP) | 坂本花織 | 78.88(今季世界最高) | 1位 | 10pt | 圧倒的な強さ |
2月7日(2日目)
| 種目 | 選手名 | 得点 | 順位 | ポイント | メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| 男子シングル(SP) | 鍵山優真 | 108.67(自己ベストに迫る) | 1位 | 10pt | マリニンを抑えて1位 |
| アイスダンス(FD) | 吉田唄菜/森田真沙也 | 98.55 | 5位 | 6pt | 安定した滑り |
2月8日(最終日)
| 種目 | 選手名 | 得点 | 順位 | ポイント | メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| ペア(FS) | 三浦璃来/木原龍一(りくりゅう) | 155.66 | 1位 | 10pt | 今季世界最高レベルの演技 |
| 女子シングル(FS) | 坂本花織 | 148.62 | 1位 | 10pt | 圧倒的な安定感 |
| 男子シングル(FS) | 佐藤駿 | 194.86(自己ベスト) | 2位 | 9pt | ノーミスで魅了 |
金に手が届く勢いでつかんだ銀メダル
熱い戦いが繰り広げられた3日間のフィギュア団体戦で、日本は各種目で次々と1位を獲得。 自己ベストや今季世界最高が連発し、1位のアメリカを本気で焦らせるほどの勢いを見せました。
最終的に日本は 合計68ポイント を獲得。
アメリカの 69ポイント にわずか1点差まで迫り、まさに金に手が届く勢いの銀メダルをつかみ取りました。
銀メダル確定後、選手たちが見せた笑顔や涙は、まさにチーム全員でつかみとったメダル。
その姿は視聴者の胸にも深く響き、感動の渦を巻き起こしました。
佐藤駿はなぜマリニンに勝てなかったのか
男子シングルのフリーでは、佐藤が自己ベストとなる 194.86点を叩き出し、ノーミスの素晴らしい演技を披露しました。 それでもマリニンにはわずかに届かず、結果は2位(9ポイント)。 では、なぜ完璧に近い演技をしてもマリニンを超えられなかったのでしょうか。
佐藤駿とマリニンの技術構成を比較してみた
ミラノ・コルティナ五輪団体戦での佐藤とマリニンのスコア差は、どこで生まれたのか。
両者の差は「ジャンプの後半配置」と「構成点」にありました。
| 項目 | イリア・マリニン | 佐藤駿 |
|---|---|---|
| 主なジャンプ構成 | 4F、4Lz、後半に4Lz含む4回転3本 | 4Lz、4T-3T、単発4T |
| ジャンプ得点 | 90.14点 | 89.61点 |
| 後半のジャンプ配置 | 4回転3本(基礎点1.1倍) | なし |
| ステップ | レベル3 | レベル2 |
| 演技構成点 | 89.71点 | 86.81点 |
【ジャンプ略称の意味】
・4F … 4回転フリップ
・4Lz … 4回転ルッツ
・4T … 4回転トーループ
・4T-3T … 4回転トーループ+3回転トーループの連続ジャンプ
【ジャンプ得点の意味】
ジャンプの基礎点+出来栄え点を合計した得点。
ジャンプ構成と後半の加点効率が勝敗を分けた
ノーミスでまとめた佐藤が、ミスのあったマリニンに及ばなかった理由は、ジャンプ構成の難度と、後半の基礎点1.1倍ゾーンでどれだけ得点を積み上げられたかという点にあります。
さらに、演技構成点でもわずかな差が生まれたことが結果に影響したと考えられます。
マリニンは4回転半こそ回避したものの、前半に4回転フリップと4回転ルッツを確実に決め、後半には基礎点が1.1倍になるゾーンで4回転ジャンプを3本入れています。これにより、ジャンプだけで90.14点を獲得。ステップはレベル3、演技構成点は89.71点と高い評価を得ました。
Fujiko後半は基礎点が1.1倍!差が出るポイントですね
一方の佐藤は、4回転ルッツ、4回転トーループ-3回転トーループ、単発の4回転トーループをまとめ、ジャンプ得点は89.61点で、点数だけ見ればほぼマリニンとは互角でした。しかし、後半に4回転ジャンプを配置しなかったことで、基礎点1.1倍の恩恵を受けられず、ここで大きな差がつきました。また、ステップはレベル2、演技構成点は86.81点にとどまり、総合的な評価でも差が広がる結果となりました。
まとめ
佐藤駿は完璧に近い演技で観客を魅了しましたが、イリア・マリニンは構成の強さで得点を積み上げました。
後半の4回転3本という攻めの構成と、演技全体への評価の高さが、わずかな点差を生み出したと言えます。
今回の結果は、フィギュアスケートにおける「構成の重要性」を改めて示すものとなりました。
とはいえ、佐藤駿の演技は世界に強烈なインパクトを残し、「構成を上げればイリア・マリニンに勝てる可能性がある」と感じさせる内容でもありました。
2月10日深夜にスタートするフィギュアスケート男子シングルでも、さらなる活躍を期待したいですね。
みんなで応援していきましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。







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